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「パネルでポン」ホームページ公開1周年記念特別企画
開発者インタビュー

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アニメーションの担当者には、あえてハードの限界にとらわれずに自由にアイデアを出してもらい ました。実現できるけど、大変だな、と言うものもありましたけど。(笑)


   グラフィックに関しても、苦労されていると思うんですよ。たとえば、パネルのデザインでも 見やすく作られてますね。
山上 以前から、パネルというかパズルの構成要素は「地味であるか、派手であるか」よりも、 「見やすいか、見やすくないか」を第一に考えてしたからね。それによって地味になる のは仕方ないことだから、まわりを美しくしよう、と。
   「パネルでポン」はまさにその言葉を体得していますね。パネルは見やすくて、まわりのキャラクタの 動きなどがおもしろくて。
森定 キャラクターを思いつくのには苦労しましたね。ハート型から連想する形で兎の顔に手足を生やし たりして。うまく思いつかなくて、顔に手足を生やしてばかりでしたね。(笑)
山上 元々の背景のデザインは、「マンハッタン」の写真でしたよね。(笑)
村松 海外向けも考えていたので、海外のフィーリングに合わせようとして写真取り込みの背景を使って、 世界各地を転戦していくというストーリーだったんですよ。
   世界観とか、キャラクター性とかは、パズルゲームにしてはこだわっていますよね。キャラクターの 動きにしてもこだわりがあるというか。
村松 アニメーションの担当者には、あえてハードの限界にとらわれずに自由にアイデアを出してもらい ました。実現できるけど、大変だな、と言うものもありましたけど。(笑)
   キャラクターがなくても、パズルゲームとしては成り立ちますよね。でも、キャラクター性にこだわって いるのは好感がもてましたね。
山上 それは、時代の流れでもありますよ。「パネルでポン」より前の、任天堂のパズルゲームはキャラクター やサウンドは最低限のものしかなかった。「パズルゲームはパズルだけ出来ればよい」というスタイルで 作ってきたんです。でも、他社のパズルゲームはそうではなくなってきて、パズルゲームにストーリー があったり、エンディングがあったり、いろんな要素が入ってきましたよね。その中で、任天堂が スーパーファミコンでパズルゲームを出すのに、今まで通り「パズルだけが出来たらよい」では ダメということですよね。そこで、じゃあストーリーをいれようか、とか、エンディングをつけようか と言うことになったのですが、全て村松さんにおまかせしてきましたね。


新しいテクニックは、ほとんど山本さんが開拓していましたね。 教わったらすぐに実践できるんですけど、一歩先に行っている分、山本さんの方が うまかったですね。


   モードも多様ですよね。
山上 基本のアイデアは、「エンドレス・モード」ですね。次に「VSモード」ができて、この二つが 最初からあったアイデアで、当時、内部から「終わりのあるモードが欲しい」という要望があって、 「でも、パネルは下からどんどん生まれてなくならないですよ」と言ってたら、「それなら、どこかまで 消したら終わりにしたらいいじゃないか」ということで、それが「ステージクリア・モード」になりまして。 「スコアアタック・モード」は、僕らが腕を試すのに、エンドレスでは時間が掛かるから、時間制限を 設けようと言う事になったんです。
   パズル・モードもありますね。
山上 「パズル・モード」は、任天堂内部で評価してもらった時に、「アクション要素が強いから、純粋に パズル要素を楽しみたい」という要望がありまして、じゃあ純粋なパズル要素って何だと聞いたら、 「限られた回数で全てのパネルを消すものが欲しい」と言われまして。で、そのままそのアイデアを モードにしたんです。
   開発者同士の対戦がものすごく白熱していますよね。開発者のパネルでポン大会があったり、開発者が 楽しんで遊んでいるな、という印象を受けますけど、テクニックはどうやって磨いたんですか。
山上 新しいテクニックは、ほとんど山本さんが開拓していましたね。で、僕がそれを追いかけるという 形で、僕は指が早いから、教わったらすぐに実践できるんですけど、一歩先に行っている分、山本さんの方が うまかったですね。
村松 でも、対戦したらいつも山本君が負けてましたね。(笑)
   対戦で、最大何連鎖しましたか。
山上 26連鎖です。
村松 14連鎖以降は一生懸命数えましたよね。クエスチョン・マークは、容量の関係で数字が入らなくて、 「これ以上の連鎖は珍しいだろう」と思ってたんだけど、余裕で14連鎖以上が出てしまいましたね。
山上 一人で遊んでいたら、13連鎖なんて奇跡に近いですよ。よっぽどうまい人でも一日一回だせるか だせないかです。14連鎖以降はクエスチョンで充分ですよ、と話していたんですけど、対戦で おじゃまパネルが絡んでくると以外に出来てしまうんですよね。
でも、テクニックがどんどん上がっていってもシステムがついて行ってるな、とは思います。


合わせて3部門の賞をもらいました。向こうのかなり有名なゲーム誌 が主催した、投票による賞です。


   US版「パネルでポン」は、かなりのモデルチェンジをされてますよね。
山上 最初は、そのままで出そうとも思ったのですけど、この絵がアメリカで受けるかというと、一部の 日本アニメに親しんでいる人にしか受けないだろうと言われて、アメリカの技術サイドがそういうなら 変えるしかないだろうと言うことで、「ヨッシー」にしました。そのかわり、ある程度の期間を もらって作りました。
   その甲斐あって、かなりの評価を受けたと聞きました。
山上 96年の「ベスト・オブ・パズルゲーム」と、「ベスト・オブ・スーパーNES」、ゲームボーイ版では 「ベスト・オブ・ゲームボーイ」の合わせて3部門の賞をもらいました。向こうのかなり有名なゲーム誌 が主催した、投票による賞です。
   開発者の方々でパズルゲームに対する思い入れみたいなものはありますでしょうか。
山本 僕は、パズルゲームはあまり好きではなかったんですけど、不思議と「パネルでポン」は気に入りましたね。
西井 僕は、パズルゲームが好きで、「テトリス」や「コズモギャング・ザ・パズル」はよく遊びましたね。 操作がシンプルで、上達すればするほど勝てるゲームが好きです。
山上 みんなパズルが好きで、パズルゲーム作っているわけではないですからね。パズルゲームを作ろうと言う 人は、あまりパズルゲームを遊ばない方がいいですよ。何かに似てしまいます、必ず。
   メインプログラマーのパズルゲーム嫌いが、新しいパズルゲームを作るきっかけになったとも言えますね。
山上 パズル嫌いなのに、あそこまで深く考えられている、と言うのがすごいですよね。しかもうまいし。(笑)
村松 新しいものを作ろうと思ったら、まず、そのジャンルを嫌いになれってことですかね。(笑)

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